barber beatsについて

今日は床屋ビートを紹介してみたいと思う。

 

Barber Beatsとは

haircuts for menを祖とする、一連の音楽ジャンル。
どこでかかっていてもなんとなくその場の雰囲気を壊さないような“よさげな”ミューザックで、LoFi hip hopとかと同じように、大概みんな好きそうな“not - not for me music”。
vaporwaveのサブジャンルとされる。

↑勝手に個人的に定義してみました。

詳しくは才ンガク毛ドキ氏のブログを読みましょう。

身分けの前の、こと分け - ヴェイパーウェイヴのサブジャンル&関連用語たち - ポ サ 研

 

さて、今この記事をいくらか興味を持って読もうとしている皆様にはお馴染みの「新蒸気波要点ガイド」には、祖であるhaircuts for menの「大理石のファンタジー」が掲載されています。

要点ガイドの初版が2019年12月、barber beatsという言葉が生まれたのは後述の通り2020年に入ってからと思われますので、まだガイドの中ではbarber beatsではなくLo-fiとして紹介されていました。今現在の基準で編集したら、ジャンル:barber beatsとして紹介されるのだろうと思います。

vaporwaveたらしめているのは、曲名がかなり怪しい日本語であったり聴きやすいミューザックというだけではなく、要点ガイドにもある通り、著作権侵害によってこのアルバムの収録曲の1つが削除されていることからも分かります。つまり、所詮はplundered(=略奪/荒らされた)モノということです。

haircuts for menで言うと、自身ではbarber beatsとは名乗っておらず、実際に最近のリリース作品を見ても、bandcamp上でbarber beatsのタグは付いていません。

むしろ、自身が始めたモノを他者が模倣していることに快く思っていないようで、様々なアーティストが「barber beatsとして制作した楽曲」をplunderしてHFM自身の作品としているほど…。裏を取ったわけではないですが、以下の作品のジャケットの文言だったり、実際に他のbarber beatsアーティストと同じ展開の曲が複数あるので、まぁそういうことなのでしょう。

個人的にはvaporwave界隈ならではな感じがして面白いです。

 

本家がbarber beatsを名乗っていないのになぜbarber beatsと言う単語が生まれたかと言うと、これまた才ンガク毛ドキ氏のブログに書いてあるので、こちらを参照しましょう。

Macroblank: 没頭する (2021) - 髪を刈る男たち──そのコスモロジーと系譜 - ポ サ 研

ポ サ 研にはいつもお世話になっています。。こちらによると、2020年のマクロブランクのデビュー時に、レーベルが命名した瞬間から始まったようです。

みんな大好きマクロブランク!先日もbandcampにて直近作品のカセットテープ125本を即完売させたこのアーティストこそが、ジャンル:barber beatsの中心人物となりましょう。

個人的には「絶望に負けた」「Tales of the Cypher」「痛みの永遠」あたりが好みです。

(マクロブランクは主にAloe City Recordsから物理媒体が販売されますが、日本時間の真夜中だったり人気ありすぎだったりDiscogerが転売目的で狙ったり?となかなか手に入らない…)

とはいえ、マクロブランクがここまで人気があるのは結局音圧モリモリってところもあるんじゃないかなぁとか勝手に思ってます(リスナーを信用してなさすぎ?笑)他にもbarber beatsで良いアーティストたくさんいるので。

 

ここからは個人的に好きなバーバービーターたちを紹介していきます。

1、savant shadow

barber beatsは一定の雰囲気・ノリが分かりやすくある中で、自身の特色を出すように試みているものもあります。

savant shadowは他のbarber beatsよりもチルい感じのものが多いように思います。どの作品もお気に入りですが、特に高軌道ラウンジ2094は分かりやすく宇宙床屋で、他ではなかなか見ないテーマだったりして楽しい。

 

2、DΛRKNΣSS

これはplunderする者たちの運命でしょうが、数か月前、著作権者からかなりきつい脅しがあったそうで。作品カタログ消すかも…と言ってましたが、まだ全部は消えてなくてホッとしました。

最近の作品ではアニメ絵をジャケットで使っていたりして、その薄暗い中身とのギャップもいいです。最推はこのour sad fate。いつ聴いても最高です。

 

3、Telenights

Telenightsはバーバービーツ専業というわけではなさそうですが、この作品ではノイジーな中にも丁寧な音の作りを感じ、バランス感覚が素晴らしいです。こういう感じのバーバーをもっと聴きたい。

 

4、Gods Of Something

vaporwaveはもう死んだのではということですが、barber beatsだけで言えば最近はむしろ入ってくる人が増えているように感じます。Gods Of Somethingもメキメキと頭角を現しているアーティストの一人。bandcampの欄に沖縄住みってあるけど、ほんまか?笑

 

5、From Tokyo To Honolulu

初めて見たものを親と思う動物的直観が、ぼくとFTTHの関係にも当てはまります。つまり個人的に初めてハマったbarber beats作品がこれで、ぼくからするとbarber beats的親にあたります。今ではもうすでにFTTH=Slushwaveの人になっているように思うけど。

本当に素晴らしい作品で、このブログに載っている中で1つ聴くとしたらこれを聴いて欲しい。

 

(オマケ)

最後に紹介するのは床屋を打ち負かす床屋です。こういう、先に言ったもん勝ちみたいなやついいよね。“Barber Beater”ってもう誰も同じこと言えない感じで…。「私は髪を切っていません,」じゃあないんだよ。

中身は完全にplunderedなbarber beatsですありがとうございました。

 

ということで、皆様も良い床屋ライフを。