2023年によく聴いたもの
としのせとしのせ。
昨年に続いてあまり新規の音楽を聴かなくなってしまったなぁと反省。
今年のリリースで個人的に良かったものをちょっとだけ。
1.Various Artists // Nobody Here: 'Eccos of the Past'
vaporwaveは他の音楽ジャンルとも引けを取らないくらいサブジャンルの数が多く、こういったコンピレーションになるとその異常性がよく分かる気がする。界隈はこれ全部をvaporwaveで括ってるのかと。名だたるメンバーでとてもゴージャス。コンピだと普通難しいと思うけど本作はアルバムとしての流れもよい。
前半はfuture funk系統でノリノリに。tr.2はみんな大好きリサフランク420のfuture funkアレンジで、かなり楽しい。これがLisaが新しいMacBookを手に入れたときのワクワク感か。tr.3ではまさにfuture funkと言えば!なアニメボイスのSEが聴けてテンションブチ上げ。日本語圏で育った人間としては笑わずにはいられない。
tr.7の浮遊感たっぷりなドラムンベースやtr.9のしっとりとしたLate Night Lofiを経て、締めはmallsoft系統でゆったりと。mallsoftからこの界隈に入ったクチとしては猫 シ CorpとLimousineが並んでいるだけで垂涎です。
ちなみにこのNobody Hereというコンピは2つ目で、1つ目の作品については才ンガク毛ドキさんの記事があるのでそちらもぜひ。
2.Flickers from the Fen // Stoned in Gielinor
今年はダンジョンシンセの作品を作ろうと思い色々聴いている中で最もRPGを感じたのがこの作品。弦楽器群の重なりが心地よい。自分の中に眠る冒険心を呼び起こしたい人におすすめ。いつもの村から旅に出よう。
ジャケットが本当に愛らしくてニコニコしてしまう。魔法使いもググる時代。
3.Joseph Shabason // Welcome To Hell
今年リリースで1作だけおすすめを挙げるならこれかな。普段あまり聴かないような感じで個人的にはとても新鮮だった。レコードショップの紹介文にはスピリチュアル・ジャズとある。
1996年のスケートボードの映像作品『Welcome To Hell』にインスパイアされた作品とのことで、「爽快で、即興的で、全身を使ったスケートボードの体験は、ウィールと木管楽器の間に共通言語が存在するジャズに似ているとシャバソンは言う」。…なるほど。
スケードボードとジャズを結びつけるこの世界は自分にとってまだまだ広いみたいだ。
あとは今年のリリースではないけど比較的よく聴いたものを。
4.slowerpace 音楽 // Lost in space 宇宙の冒険
BarberBeatsはここ数年よく聴いていて、個人的にはこういった宇宙を喚起させる音を使ってるものが刺さりやすい。個人的にはtr.3が白眉で、途中の大きなブレイクに宇宙空間で今も鳴り響く「無音」を見出さずにいられない。
作者のslowerpace音楽はバーバービーターの中でも特に作風が広い人で、いろんなバーバーが聴けて楽しい。例えば「BarberShopのシミュレーションゲームのサウンドトラック」をイメージした作品なんかはまさに発想の勝利。音もよかった。
5.Boris Blenn // Berlin Future Lounge
今年はBarberBeatsの作品を自分でも作ろうと思って、本家はどういった作品からplunderするのかを辿っていった先に出会ったのがこの作品。どうせやるならこういうラウンジな作品を自分で作ってからそれをBarberBeatsにしようと思い、自分なりにアウトプットできたのが楽しかった。tr.1の出だしなんかは多分同じ音源使ってる気もする。激しめなtr.3や、ニカいtr.10, 11なんかを聴いていると、ラウンジと言っても色々あるんだなと知った。
こういう、この音真似したい!っていう気持ちが創作のモチベーションなのかもと改めて。もっとそういう気持ちが欲しいので来年こそいろいろと聴いていきたい。
あとはmoshimossの新譜がジャケットから音まで何もかもよかった。
デジタルDLコードがなくてレコードでしか聴けず数回しか聴けてませんが…。
とまぁこんな感じです。
来年からはあんまり創作の時間が取れなさそうなので、せめて聴く音楽を増やしたいなと。
いい音楽に出会えたら作る時間も捻出しようとするだろうし。来年の自分に期待です。
良いお年を!